紀伊半島の海岸線2025秋　2025年10月

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朝食は前日スーパーで購入したパン、悪くない。悪くないのですがどうも添加物が多くてトゲを感じる味です。
この日は予報が暗転し、北西の風が強く、朝から降水確率が60〜70％。

あいにくの雨で走りだすのをためらっていると、いくぶん小降りになってきました。雨具を着ずに出発します。5分も走らないうちに、朝から営業されている街中の弁当店へ着きました。ここでお昼を調達しておきます。
雨が少々強くなってきました。雨具を着ないまま我慢し、紀伊田辺駅まで走って、輪行作業。特急くろしおに乗りました。

特に期待しないまま車内で食べた「かやくごはん弁当」￥864税込、でしたが、これが実にすばらしい！ おそらく大半が手間をかけ手づくりされていて手抜きが無い！ かやくごはん（関東風に表現すると炊き込みごはん）の出汁が驚きの美味。付け合わせの山菜もそうだし、カマボコすらただの市販品ではないだろう風味。さすが関西圏と唸ってしまう逸品で、個人的に過去食べたことのあるお弁当の中では1、2位に入るでしょう。幸福感に満たされるお弁当、これだけでもまた紀伊半島を再訪したくなるほどでした。

正午過ぎに新大阪駅へ到着。以前と違い、費用を抑えるため新幹線を使わずに在来線を乗り継いでいきます。JR京都線と琵琶湖線を乗り継いでいくのですが、運よく米原駅まで直行する新快速に乗車できました。新快速とはいえ高槻からは各駅停車。ほとんどの区間、すべての駅に停車。地味に長い．．． それでもうまく車椅子/ベビーカースペースを見つけ、輪行袋を置けて助かりました。

米原からは大垣行きのJR東海道本線普通列車に乗り換え。わりと混雑しています。外は雨脚が強くなってきているようでした。大垣から豊橋行き新快速に乗車。意外にもこちらのほうが空いていました。
自宅の最寄り駅で降車、自転車を組み立てるとちょうど雨雲にかかってしまい大雨。しばらく待っていると雨雲が途切れて小降りになり、走りだすと奇跡的にもほぼ止んだ状態。そのまま雨具を着ずに自宅へ帰ることができました。



定年退職の記念イベントといえば豪華客船クルーズや海外旅行、ゆっくりと温泉旅行、オートキャンプ、．．．
どれも私には関係のない話です。私には私の身の丈に合った旅をするまでのこと。
今回、必ずしも天候に恵まれてはおらず、気楽に楽しく行けたわけでもありません。地味に苦しいことや想定外のことが続き、まるで私の人生を暗示しているかのようでもあります。それでも紀伊半島海岸線の地形や気候を部分的にでも体感し、人々の暮らしを垣間見たり、自転車旅を通じた貴重な体験ができて、半ば無理をしてでも行ってよかったと思います。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（おしまい）